「ご挨拶」
同窓会会長 早川 与規
このたび、野水重明前会長の後任として新潟県立三条高等学校同窓会の会長を拝命いたしました、早川与規でございます。伝統ある母校の同窓会という重要な組織の運営を担わせていただくことになり、大変光栄に思うとともに、その責任の重さをひしひしと感じております。力不足ではございますが、これまでお世話になった母校や諸先輩方へのささやかな恩返しとなるよう努めるとともに、若き後輩たちが大きく羽ばたいていけるよう、微力ながらお手伝いできればと考えております。何卒よろしくお願い申し上げます。
私は昭和63年に三条高校を卒業いたしました。現在、東京にて会社を経営し、主にベンチャーキャピタル事業に取り組んでおります。ベンチャーキャピタル事業とは、社会を前向きに変えようとする起業家に対して資金を提供し、さまざまな支援を行いながらビジョンの実現に向けて伴走する仕事です。日々起業家たちと接し、その情熱と創造力に大いに刺激を受けながら、学びと気づきに満ちた毎日を過ごしております。一方で、5年前に生まれ育った加茂市で仲間たちと農業法人を立ち上げ、現在は38ヘクタールの土地で米づくりにも取り組んでいます。田んぼに立ち、土に触れ、季節の移ろいを肌で感じながら収穫を迎える中で、あらためて故郷の風土や人の温かさ、美しさに心を動かされております。
こうした二つの地域を往来する生活を通じて強く感じるのは、日本という国の「今」と「これから」です。少子高齢化、地域ごとの構造的な不均衡など、わが国はまさに課題先進国といえる状況にあります。しかし、見方を変えれば、こうした社会課題の先進性こそが、新たな価値の源泉となり得ると私は考えています。日本で先行して現れた課題をビジネスで解決するモデルを構築し、同様の課題を抱えるであろう将来の海外市場に輸出・展開していくことで、日本の新たな成長エンジンを築くことができるのではないでしょうか。結果として、高度成長期とは異なる日本独自の豊かさを再定義し、世界に誇れる産業を創出するチャンスが今、まさに目の前にあると信じております。
そして、そうした未来を切り拓く力は、若い世代にこそ宿っています。母校・三条高校では、「自主自律精神の涵養」と「情操豊かな人間性と創造力の育成」を教育目標として掲げ、令和7年度には理数科が新設され、来年度からはメディカルコースとイノベーションコースに分かれると伺っております。今後ますます多様な進路と可能性が広がっていくことでしょう。このように母校が進化を続けることで、未来を担う後輩たちが自らの力で社会に新しい価値を生み出してくれることを心から期待しています。
令和4年には三条高校創立120周年の記念行事の一環として、在校生に向けた講演の機会を頂戴しました。その際には、学生時代の経験や、経営者としてのこれまでの挑戦などをお話しさせていただきました。若い世代が真剣なまなざしで耳を傾けてくれる姿は今も鮮明に記憶に残っており、私自身、皆さんから大きなエネルギーをいただきました。
同窓会は、母校の発展に寄与するとともに、地方文化の向上に貢献することを目的としております。まずは、これまで歴代の会長や役員の皆さま、諸先輩方が築いてこられた良き伝統を大切に継承してまいります。その上で、時代の変化を見据え、必要に応じて新たな運営の形を模索することも重要だと考えております。例えば、情報発信や活動案内の手段、参加機会の拡充に向けてデジタルの活用を進めるなど、より多くの同窓生の皆さまにとって関わりやすく、親しみの持てる同窓会運営を目指してまいります。
これからの同窓会運営にあたっては、全国・世界で活躍されている多くの先輩方、同世代、若い世代、すべての同窓生の皆さまのお力添えを、ぜひ賜りたく存じます。より多くの皆さまに同窓会活動へご関心をお寄せいただき、世代や地域を越えたつながりの輪がさらに広がっていくことを願っております。
結びにあたり、同窓生の皆さまの今後ますますのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。微力ではございますが、誠心誠意努めてまいりますので、今後とも変わらぬご指導・ご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
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